起業の方法には大きく分けて2通りの起業スタイルがあります。今回は「プロフェッショナル起業とアントレプレナー起業のメリットデメリット」について解説します。
目次
プロフェッショナル起業とアントレプレナー起業とは?
プロフェッショナル起業
- 弁護士、税理士、司法書士
- デザイナー、ライター、システムエンジニア
- 経営コンサルタント、飲食店コンサルタント
・・・
専門的なスキルを元に1人で起業できるスタイルのことを「プロフェッショナル起業」と言います。
「起業」というよりは「独立」という意味合いの方が強い起業スタイルです。
アントレプレナー起業
新しいビジネスモデルや既存の事業の変革をしながら、比較的規模の大きい会社への成長を念頭に起業することを「アントレプレナー起業」と言います。
TVやネットで登場する「起業家」は、ほとんどがアントレプレナーです。
プロフェッショナル起業のメリットデメリット
メリット
既存事業の延長線にあるものだから、売上の見込みが立てやすい。
プロフェッショナル起業は、今まで会社や組織に属してやってきたことの延長線にあるものです。どうやれば売上が増えるのか?どうやれば顧客が増えるのか?などある程度の経験値はあるはずですので、起業しても「どのくらいで売上ができるのか?」予測しやすいというメリットがあります。
また、すでに知り合いの顧客も多い為、起業前にある程度のお客さんがいるケースも少なくありません。リスクは低い起業スタイルと言えます。
開業資金が少なくて済む
プロフェッショナル起業の場合は、多くの場合、少額の資金で起業することができます。デザイナーやライター、システムエンジニアであればお客さんさえいれば、パソコン1台で資金は事足ります。自宅で起業することも簡単です。弁護士や司法書士、経営コンサルタントも、必要なのはオフィスとウェブサイトぐらいです。何千万もの資金は不要で数百万円あれば十分に起業できるメリットがあります。
デメリット
1人での起業になるので個人の能力に左右されてしまう!
ビジネスモデルではなく、優秀な社長という個人の力で起業するスタイルですので、ビジネスモデルの力というよりは、個人プレーの良し悪しで売上や利益が決まってきます。
経営者自身が病気やケガをしてしまえば、そのまま売上は減ってしまうリスクがあります。また、誰かに相談しながら経営することも難しいのです。
売上の限界がある
画期的なビジネスモデルを構築するわけでもなく、既存のビジネスモデルで優秀な経営者の個人の力で起業するため、成長曲線はなだらかになってしまいます。そこから突き抜けて大企業に成長するケースもありますが、急成長は難しいのです。
アントレプレナー起業のメリットデメリット
メリット
夢がある!
スティーブ・ジョブスや孫正義など、偉大な経営者はみなアントレプレナー起業からはじまっていると言っても良いでしょう。画期的なビジネスモデルを開発して、波に乗れば世界的な企業になることもできますし、世界的なお金持ちになることもできるのです。プロフェッショナル起業でできないわけではありませんが、既存のビジネスモデルよりは、新しいビジネスモデルの方が急成長するチャンスは大きいのです。
一緒に起業できるメンバーがいる!
アントレプレナー起業の場合は、複数名で起業する、または1人で起業しても、はじめから社員を雇用することが多くなっています。経営方針の相談することも、アイデアを出し合うことも可能です。
デメリット
成功率が低い
新しいビジネスモデルで勝負しなければなりません。当然、誰もやっていないことをやるケースが多いとなると、既存のビジネスモデルを踏襲するプロフェッショナル起業と比較すれば成功率は著しく下がってしまうのです。起業のアイデアと実行力が問われるのです。
起業資金はある程度の金額が必要
事業の内容にもよりますが、他が真似できないことをしようとすると、それなり起業資金が必要になります。ベンチャーキャピタルやエンジェルからの投資を受けて起業することもありますが、いきなり○億円単位のお金を動かさなければなりません。
複数名で起業することがデメリットにもなる
複数名で専門分野ごとに担当を決めて、起業するケースも増えます。相談できるメリットもありながら、経営方針で揉める可能性もあるのです。
まとめ
前述したように起業のスタイルには「アントレプレナー起業」と「プロフェッショナル起業」というものがあるのですが、起業を検討している時点で「自分はどちらの起業をするのか?」ある程度は理解しているかと思います。
ハイブリッド型ではじめはプロフェッショナル起業で資金とノウハウが貯まってきてから、新規事業に乗り出すという方もいます。近年では1人でも新しいビジネスモデルを創り出す環境も整ってきているので、それほど重要な選択ではありません。あくまでも「このように分類されて違ったメリットデメリットがある」ということだけ覚えておきましょう。