と考えている方、実行している方も少なくないのではないでしょうか。今回は、実体験から、副業から起業をすすめない理由を解説します。
目次
筆者の体験談
筆者は
現在は3社の法人を経営していて、インターネット関連のビジネスをいくつか展開しています。
一番はじめに設立した会社は、5期目に入りました。
営業利益も億単位になっています。
やっている事業は
- 不動産
- コンサルティング
- ウェブサイト運営
です。
収入も億単位ですので、ある程度の成功と言っていいと思いますが・・・
実は、筆者もはじめは「副業」でスタートしようとチャレンジした経験があります。
ぶっちゃけ、起業することよりも、収入がゼロになるということが怖かったんです。
そこで
と考えました。
- 副業時の売上は良いときで、月2万円程度。
到底、起業できる水準には達していないのです。
今だからこそ、わかる「副業から起業をすすめない理由」を実体験から解説します。
副業から起業をすすめない理由
絶対的な時間が足らない!
副業をしようとしたら、会社員の仕事があるのですから
余裕がある時間は
- 帰社してからの1時間~2時間
- 土日
だけです。
筆者が甘かったのもありますが、土日両方を副業に充ててしまうと、本当に何もできなくなってしまうので、土曜日だけにしました。
- 平日帰社後:1時間
- 土曜日:8時間
の時間を副業に費やしたのです。
- 月:約52時間
一見、十分な時間を費やしていると感じるかもしれません。
副業といっても、できることは限られるので、アフィリエイトでのウェブサイト運営にトライしました。
なぜ、結果がでなかったのか?
を筆者なりに振り返ってみると
月:52時間で、競合他社(競合サイト)に勝てるほど、甘くないから。
という答えにたどり着きます。
アフィリエイトでのウェブサイト運営といっても、
- リクルートや価格コム、サイバーエージェントなどの大手企業も参入してきています。
- 中小企業も、玉石混交で、数名の体制で一つのウェブサイトを運用しています。
- 月160時間以上運用する人員 × 3名~4名
でサイトを作る敵(競合他社)と
- 月50時間程度 × 掛け持ち、手探りの私1名
では、到底戦えないのです。
よほど、優秀な知能があれば、このリソースでも戦えたかもしれませんが、私の知能レベルはいたって普通レベルです。
結局、絶対的な時間が足らないから、競合他社に勝てず
- 売上:月2万円程度
にしかなりませんでした。
起業直後は
- 朝6時~夜11時(23時) × 毎日 = 月480時間
ぐらい費やしたので
やっと、「月160時間以上運用する人員 × 3名~4名」と対等なリソース投入となり
- 当時は、売上:月200万円程度
まで、いくことができたのです。
ビジネスは、相対的なものですから
敵に対して、戦力が全く劣っている状況では、成果が全然望めません。
副業でいくら、時間を費やしたとしても、時間的な限界があり、うまくいかない可能性が高いのです。
やれることに限界がある!
結局、副業ですから、大抵の方は
会社にばれないように副業をする
という方が多いのではないでしょうか。
最近では、副業OKの会社も増えてきましたし、不動産投資などであれば副業に入りませんから、全員がそうとは限りませんが、会社にばれないように副業するというのであれば、やれることに限界があります。
- 法人を設立しにくい。
- 法人を設立しても、ウェブサイトや広告ができない。
- 法人を設立しても、電話などができない。
- 平日に営業をすることができない。
- 人を雇うことができない。
・・・
100%絶対に無理というわけではありませんが、会社にばれないように、別会社を立ち上げてウェブサイトや広告宣伝もしながら、利益を出すのは至難の業です。
筆者の場合は
「電話番号を取得して顧客対応できれば、こんな受注も見込めるのにな。」
「ウェブサイトを作って会社の広告宣伝したいな。」
「クライアントに営業したいな。」
「お金を借りて、事業規模を拡大しないな。」
・・・
と、いろいろやりたいことがでてくるのですが、「副業では無理」というものが多すぎたのです。
本業と利益相反の関係になる!
多くの方の場合は
- 現在勤務している会社の業種
と
- 副業・起業で稼ぎたい業種
は、イコールになっているかと思います。
つまり、
- 会社員として会社のために平日やっていること
と
- 週末、副業として自分のためにやっていること
が、ほぼ同じになってくるのです。
そうなると、
- ノウハウを流用した。
- クライアントにアプローチした。
- 企画書や契約書などを持ち出した。
・・・
など、働いている会社と揉めることになるのは、間違えありません。
「企画書や契約書などを持ち出した。といっても、自分が作ったやつなんだけど。」
と強がったところで、給料をもらっている以上は、あなたが作った書類だとしても、働いている会社の資産になるのです。
それを、黙って個人の副業に活用して、それが同業種だとしたら、元の会社から怒られる(で済めばよいが、最悪の場合は損害賠償請求)のも、当然なのです。
そんなリスクを負ってまで、副業をするぐらいなら、スパッと辞めてスタートした方があと腐れもないのです。
さらに、筆者の場合は、部下もいましたから
本業の仕事中に
「ああ、こうしたらうまくいくかもな。」という自分の起業のアイディアをメモっている時も
部下に対する「うしろめたさ」を感じながらやっていました。
危機感が生まれにくい!
「背水の陣」という言葉がありますが
背水の陣とは
一歩もあとにはひけないせっぱ詰まった状況・立場。また、そういう状況に身を置いて、必死の覚悟で事にあたること。
「必死になる」ことでパワーが出るのです。
筆者の場合、起業直後は
- 朝6時~夜11時(23時) × 毎日 = 月480時間
で働きました。
スーパーブラック企業です。
筆者は、非常に憶病な性格ですので
「給料が入ってこない状況」に大きな危機感を感じていたため、必死に働いたのです。
この時期の記憶がないぐらい、働きました。
リスクヘッジと言えば聞こえがよいですが
「副業で成功したら起業しよう。」
「お金の心配があるから、会社を辞めない。」
というのは
「安心感がある一方で、危機感がなくなる」
問題が出てしまうのです。
副業から起業をすすめない理由のまとめ
筆者の場合は
- 絶対的な時間が足らない!
- やれることに限界がある!
- 本業と利益相反の関係になる!
- 危機感が生まれにくい!
という理由で
1年ほど「副業で上手くいってから起業」にチャレンジしたのですが
良いときで月2万円程度、あえなく完全失敗してしまいました。
そこで
と思えた分今があるのですが・・・
今、振り返ってみると
安定を取りながら、起業して成功する
というのは
非常に「虫のいい話」であって、そんなに上手くいくはずがない。というのが、身に染みてわかります。
だからこそ、起業したいと考えている人に「副業から起業」はおすすめしないのです。
それでも、「副業から起業」を検討する場合のアドバイスがあるとすれば、こちらになります。
「副業から起業」を検討する場合のアドバイス
その1.期限を決めよう!
「上手くいったら起業」という言い訳を用意してしまうと、ほとんど上手くいきません。
ですので
「副業して多少の経験値を作ってから起業する」
というケースでも、
- 1年3か月後の〇年〇月に会社を辞める
- 1年6か月後の〇年〇月に起業する
という「期限を決める」ことをおすすめします。
期限を決めれば、その期間で腹はくくれるはずです。
また、同時に円満退社もしやすくなります。
十分に時間があるので、それ以前に話を通しておけば、円満退社もできますし
同業であっても、現在働いている会社にメリットが与えられる提案ができれば、協力・支援してくれる可能性も高いのです。
失敗が怖い方は、経営者と信頼関係が気づけているのであれば「起業が上手くいかなかったら出戻らせてください。」と正直に話してみるのも一つの方法です。経営者というものは、自分が過去に起業した経験があるのですから、意外と理解してもらえます。
その2.副業の段階で儲けることを考えない!
- 起業後の事業に慣れる期間
- 起業後の事業の計画を練る期間
- 競合他社を分析する期間
- 事業アイディアを増やす期間
- 会社経営の基礎知識を習得する期間
- 自分に足らない能力を鍛える期間
- 起業時に必要な資格を取得する期間
- 必要なソフトウェアを使いこなす練習期間
- 見込顧客を開拓する期間
- 仕入れ先/外注を開拓する期間
- 優秀な外部ブレーンを探す期間
- 起業メンバーを探す期間
・・・
準備期間と位置付けて、副業をしてみるのも、一つの方法です。
その3.本業もしっかりやる!
会社員としての仕事も全うできないのに、起業して成功するはずがありません。
副業と掛け持ちになるとしても
- 与えられた業務
- 与えられたミッション
は一生懸命実行しましょう。
誠実に仕事をしていればこそ
起業後
- 現在の会社の経営者
- 同僚
- 取引先
- クライアント
が助けてくれるはずです。
自分の副業のために手を抜くのは、間違った判断です。
一生懸命、本業をこなしていると
- 現在の会社の経営者:「上手くいかなかったら戻って来いよ。」
- 同僚:「起業するなら、手伝いますよ。」
- 部下:「ついていきます。」
- 取引先:「うちとも一緒にやりましょう。」
- クライアント:「〇〇さんは信用できるから、起業したら発注するよ。」
と援護してくれるはずです。
その4.貯金をしておく
筆者の場合は
500万円貯めて
- 100万円を資本金
- 400万円を生活費
としました。
「残りの400万円あれば、24か月売上0円でも食べてはいけるか。
2年経過して、鳴かず飛ばずだったら、もう一度会社員に戻ろう。」
という計算です。
起業時に資金調達しようとすると、日本政策金融公庫などが有力な資金調達先になりますが・・・
日本政策金融公庫は、経営者の連帯保証を取らない分、重視するのは
「経営者自身がどれだけリスクを負っているのか?(自己資金を出しているのか?)」
です。
「無一文で、資金調達して、起業しよう。」
というのは無謀なのです。
少なくとも、
- 起業時の資本金の一部
- 1年分の生活費
ぐらいは、副業の準備段階で貯めておくことをおすすめします。
まとめ
「副業から起業」をすすめない理由には
- 絶対的な時間が足らない!
- やれることに限界がある!
- 本業と利益相反の関係になる!
- 危機感が生まれにくい!
という問題があるのです
ビジネスは
- 副業で10時間で月10万円稼げたから、起業すれば200時間で月200万円稼げる
といった、単純計算にはならないのです。
- 敵に勝てなければ、売上は0円に近く
- 敵に勝てるの出れば、売上は100万円、1000万円というレベルに届く
敵(競合)を意識した相対的なものなのです。
だからこそ、
- 副業で成功したら、起業して成功する
- 副業で失敗したら、起業しても失敗する
という関係性は成り立たないのです。
実際に筆者の場合は
副業で完全失敗しましたが、起業してある程度の成功はしていると思います。
だからこそ、「副業から起業」というルートを選ぶ必要性はほとんどないのです。
それでも、「副業から起業」というルートを選びたい方には
- その1.期限を決めよう!
- その2.副業の段階で儲けることを考えない!
- その3.本業もしっかりやる!
- その4.貯金をしておく
ということをおすすめします。
- 副業は、あくまでも起業後のビジネスの準備
として位置付ければ、「給料をもらいながら準備をする」という判断は間違っていないからです。
副業をテストと割り切って、準備を積めば、起業後の成功の確率は高くなります。
「副業でうまくいったら、起業しよう!」